ヘルシー美里
2021/06/29
皆様、学校で寝た経験はありますか?もちろん、授業中の居眠りではなく、布団やベッドで本格的に寝た経験…。あっ、保健室でもないですよ。学校嫌いだった人も、卒業してしまえばこっちのもの。学校の校舎は懐かしさの固まりなのです。
昭和60年に閉校となった中学校の木造校舎を活用した町営の宿泊施設が「ヘルシー美里」さん。内装も学校の雰囲気がそのまま残されています。部屋番号も教室のように「3年1組」!メニューも黒板に書いてあったり、学生の頃の合宿や林間学校を思い出す人もいらっしゃるかもしれません。
食事はシンプルかつヘルシー。こんにゃくのお刺身や鹿肉料理、山魚の塩焼き、山菜料理などなど、地元で採れる食材を使った料理が出されます。
「ヘルシー美里」さんには、自分で調理ができるコテージもあり、夢の長期滞在も可能です。
さらにバーベキューのできるBBQ棟も併設されているので、ご家族やご友人とのお好きな食材を持ち寄ってのバーベキューも大人気!早川町の食材を楽しみたい方には、地元で採れた野菜に町特産のフランクフルトやベーコンなどがセットになったBBQプランがあります。食材だけでなく、鉄板や炭、軍手などバーベキューに必要な道具も用意してくれる至れり尽くせりのプランなので、手ぶらで楽しみたい方や初めてのバーベキューにもお勧めです!
野鳥公園と同じ会社が運営しているので、野鳥公園のイベントに参加するのであれば、ここに宿泊するのが最も便利!野鳥公園で開催されるイベントとセットになった宿泊プランやエコツアーがたくさんあるので、まずは体験したいプランを選んでくださいね。
コンビニが1軒もない早川町の夜は真っ暗。ということは、夜空には満点の星が!
その星空を観察するプラン、夜の森を探検するナイトハイクプラン、蛍の季節には蛍鑑賞プラン…。これらの「野鳥公園」の夜のイベントに参加したいのであれば、宿泊は必須です。
もちろん、魅力的な昼のイベントもあります。お薦めなのは、釣りプラン!渓流で釣った魚を塩焼きにして夕食に食べることができたり、朝マヅメを狙う玄人の方には、朝食のことを気にしなくても済むようにおにぎり弁当を作ってくれるとか。至れり尽くせりなのです。もちろん、クーラーボックスに入れる氷も無料でもらえます!
そして、この学校にはなんと温泉があるのです。その名も「光源の里温泉」。
実はこの温泉がすごいんです。
源泉の温度は約20度。ちょっと冷たい源泉に浸かると、まるで自分が温泉卵になったかのように思えるほどの硫黄臭に包まれます。
ほんのり感じる塩分。そして感じるヌルヌル・トロトロ感。
この手のお湯は美容に最適ですよね。もちろん、40度くらいに温めた「熱湯」もあるので、熱い→冷たい→熱い→冷たいを繰り返しで行う入浴法の王道「温冷交代浴」ができます。「温冷交代欲」は疲労を回復にはさせるのはもちろん、筋肉痛の緩和に効果があることが証明されているみたいなので、昼間は森の探検をして痛くなった足腰を癒してあげてください。
しかも、この「光源の里温泉」のお湯には謎があります。時間帯や日によって、お湯の色が変わるとか!色が変わる現象を見たら是非教えてくださいね!
古民家カフェ 鍵屋
2021/06/28
日本一人口の少ない「秘境・早川町」の中でも最も奥にある集落「奈良田」は、まさに秘境中の秘境です。早川町の入口から約30キロ。たったの30キロ。早川町に足を踏み入れたら、「奈良田」を散策しない手はありません。
「奈良田」という名前にある「奈良」は、鹿で有名な、いや、大仏で有名な、いやいや、平城京があった古都として有名な「奈良」なのです。日本史が好きな方ならばご存じの「道鏡」という僧侶との禁じられた恋に堕ちた女帝「孝謙天皇」がこの地を訪れた時、「おおおお!ここは奈良みたいだ!(現代風訳)」と驚いたことが「奈良田」と呼ばれるようになったきっかけとも言われています。
その他にも、「奈良田のご符水(ごふうすい)はどんな難病でも治す」などの「奈良田の七不思議」が語り継がれていたり、秘境度を高める逸話がたくさん。「奈良田」は近隣の集落の人でさえ、「陸の孤島」と呼んでいるほどの地域なので、独特の言葉や風習も残っています。もちろん、昔ながらの自然豊かな景観も!そんな「案外近い秘境・奈良田」を散策するならば、「古民家カフェ鍵屋」さんは、まず訪れて欲しい場所。
奈良田の里温泉駐車場に車を停め、山道を少し上がっていくと、茅葺きの入母屋式かぶと造りの古民家があります。これが「鍵屋」さん。2015年にカフェとして復活した推定築200年超の古民家の中は、囲炉裏の煙でいぶされたむき出しの梁や柱に和モダンテイストのインテリア。地元の食材×美味しい×都会的なオシャレさが漂うカフェメニューも魅力的なのです。
古民家の良さは、時間の感覚が全くなくなること。鳥の声に耳を澄まし、周囲の山の景色に目を奪われ、美味しくてオシャレなお料理やデザートに変身した早川町で採れた野菜、山菜、鹿肉やお味噌などに舌鼓を打つ。
食器やカトラリーもMade in 早川町!カフェにありがちな無機質な白いお皿ではなく、どっしりとした地元の作家さんの手によって作りだされた陶器が、心をさらにほっこりとさせます。
お薦めメニューは、鹿肉のパスタやシチュー。「鹿肉は癖があるんじゃない?」と食わず嫌いだった人にもトライして欲しい逸品です。優しい味に仕上がっています。食後にはエゴマのチーズケーキを!
お土産に買って帰りたくなる、オリジナルのお菓子や調味料も充実しています。
早川町の文化に関する本や民芸品にも触れることができる鍵屋さん。
カフェスペースの隣には、南アルプスユネスコエコパークステーションもあり、情報収集にも最適です。奈良田の美しさに惚れ込み、東京から移住した店長の小森由美子さんとのお喋りも「鍵屋」さんの魅力の一つ。貴方も陸の孤島「奈良田」にハマってしまうかもしれません!
麓の直売所&Café
2021/06/27
日本一人口が少ない町、早川にはコンビニもスーパーマーケットもありません。
なので、「麓の直売所&Café」さんは、地元民のために日用雑貨や普通のお菓子、地の野菜や豆腐を販売しています。そして、早川を訪れる観光客のためには、手作りハムやベーコン、地元民が昔ながらの製法で作った味噌「白鳳みそ」やこんにゃく、早川の特産品やお土産品をほぼ全て取り揃えています。
まさに、早川町の道の駅のような存在のお店。
けれども、赤い壁にはアート作品や地元の人が撮影した写真などが飾られていたりと、オシャレな雰囲気が漂っています。
「麓の直売所&Café」さんは、中部横断自動車道の下部温泉早川ICから車で約35分。南北に長い早川町の真ん中辺に位置しています。
ここで特産品やお土産品を物色し、カフェでお茶をしながら、この後の行く先を決めるのも楽しい使い方。「麓のカプチーノ」なんてネーミングのカプチーノ、飲んでみたくなりませんか?
ラーメンやカレー、焼肉定食などの普通の昼食を、普通の地元民に混ざって食べるのもまた楽しい使い方!厨房のおばちゃまと地元客の会話を盗み聞きして、早川の方言の練習をするのもまた一興です。
「麓の直売所&Café」さんのお薦め品の一つは、隣にある「手作りハム工房」で作った出来立てのハムやベーコンやソーセージ。
なぜ早川町にハム屋さんがあるのだ?という疑問が湧くと思います。実は、早川は少し前まで養豚場が30軒近くもあり、しかも早川の豚の質は市場で高い評価を得ていたという豚肉文化があったそうです。残念ながら高齢化のため、今では養豚場はなくなってしまいましたが、豚肉に対する「目利き力」を活かし、山梨県産の「甲州富士桜ポーク」を加工しています。
お味噌やこんにゃくは地元のおばあちゃん、おじいちゃんたちが作っているもの。なんとなく、田舎のおばあちゃんの家に遊びに行った時に食べたような味が思い起こされます。なのに、店内の壁は赤い…。
「麓の直売所&Café」さんは、都会的なオシャレさと田舎の素朴さが入り混じった魅力的な店なのです。
南アルプス邑野鳥公園
2021/06/27
「手打ち蕎麦と山の食 おすくに」さんから約3キロ北に行った所、南北に長い早川町の真ん中辺に「南アルプス邑野鳥公園」さんはあります。
ヤマセミ橋を渡るとそこは別世界。一年を通じて100種類上の鳥類、ムササビやカモシカなどの様々な動物が生息している、広さ約25,000平方メートルの森が広がっています。
ここは、動物園やサファリパークのように人に見せるために動物が飼われているわけではなく、自然に生息している動物や鳥を観察する場所。早川町の山に生息している野鳥や野生動物を、人間目線ではなく、動物目線で観察する場所なのです。
(注:なので、当然、発見できない時もあります。そういう時に文句を言ってしまうような人は動物園に行くべし!)
生き物たちの生活の時間帯や生活場所に人間が合わせる。優先されるのは、動物や鳥の自然の生活!真の鳥好き・動物好き・虫好きにはたまらない施設です。
バードウォッチング、鹿ウォッチング、ホタルウォッチング…。
カタカナで書く必要はないですね。
鳥の観察、鹿の観察、蛍観察などなど、季節ごとのガイドツアーが盛りだくさん。通常、このようなイベントはキッズの自由研究用であることが多いと思うのですが、「南アルプス邑野鳥公園」さんのガイドツアーは、子供だけのものにするのはもったいない。大人の好事家やプロの研究者にとっても魅力的な、本格的なものなのです!
この場所を魅力的かつ本格的にしているのは、ガイドさんのクオリティー。
本当に博学です。本当に研究熱心です。動物愛に溢れてます。どんな質問をしても、ちゃんと答えてくれます。そして、ガイドとはエンターテイナーでなければいけない!ということを知ってます。
例えば、鳥の観察では、その鳥が向いている方向から、次の行動を予測。鳥の心に合わせて観察します。バードコール(木と金属のネジで作った鳥の鳴き声のような音を発する道具)を使って、鳥との会話も体験できちゃいます!
大人の方々に超お薦めなのが、夜の森を探検するナイトハイク!
漆黒の闇に包まれる夜の森を歩く。それだけでも十分楽しいんです。夜の森って「怖い!」というイメージですが、色んなことを知っていれば怖くないのです。
夜の森の匂い…感じたことありますか?
夜の森の静けさと音…知ってますか?
是非体験してみてください!
単に動物や虫の知識が増えるだけでなく、五感も研ぎ澄まされると思います。
初夏のお薦めは蛍鑑賞ツアー。
蛍が飛び始める時間の少し前から森に入り、木々に囲まれたオシドリ池へ。日が暮れ始め、モリアオガエルの合唱をBGMに蛍が現れるのを今か今かと待つ。グループの中で最初に蛍の光を見つけるべく、目を凝らして真っ暗な森の中で過ごす時間。そして蛍の飛翔がピークになった時に感じるワクワク感は、どんな年代の人でも子供に戻す魔法を持っています。
所長の大西信正さんが毎月行っている「野生のニホンジカの調査」に同行するツアーもお薦め。
ニホンジカを20年以上研究している大西さんは、一頭一頭を見分けることができるのはもちろん、それぞれの鹿が何を考えているのかが分かる超大家なのです。このツアーに参加すれば、貴方も鹿の言葉が分かるようになるかも!?
元々は学校だった建物を宿泊施設に改築した「ヘルシー美里」さんに宿泊して、「子供だまし」ではないナイトツアーに参加してみてください!
手打ち蕎麦と山の食 おすくに
2021/06/27
中部横断自動車道の下部温泉早川ICから約40分、早川町の入口から約20分の所にある「手打ち蕎麦と山の食 おすくに」さんは、その名の通り「山の食」を体験したい人に心からお薦めできるお店です。
「おすくに」さんを営む鞍打大輔さん佳子さんご夫婦は、元々、早川町の文化の研究者。都市計画や地域作りを学んでいた大輔さんは、大学生の時に卒論のために訪れた早川に魅せられて移住。甲府の新聞社に勤めていた佳子さんは、「蕎麦」に魅せられ、世界の「蕎麦文化」を研究するためネパールなどの遠く国まで足を運んだり、富山県の利賀村で蕎麦修業をしたり…。
そして、日本で最も美しい村連合に加盟し、また日本で最も小さい町である早川町で、小さなお蕎麦屋を開店するという夢を2019年に叶えました。
「おすくに」さんは比較的新しい店にもかかわらず、今や早川町を代表し得る店になっています。というのも、単なる「蕎麦屋」以上の、「早川の食文化の一つである山の食を広めたい!」という鞍打夫妻の「志」が、地元民だけでなく観光客の心を強く強く引き寄せているのからであります。そして、何よりも早川町の文化を研究していたからこそ、早川愛が強いのです。
佳子さんが打つお蕎麦と、大輔さんが作る「山のおつまみ」を是非とも楽しんでみてください!色んなことに配慮がつくされた、「優しい味」を堪能できるはずです。
「おすくに」さんのメニューに使われている食材は、ほぼほぼ早川町の山々で採れたもの。私は、ここで山菜の美味しさに目覚めました!食すべきメニューがたくさんあるので、何度も何度も訪れて欲しい店です。
大輔さんが罠で仕留めた鹿を使ったメニュー、「山菜の天ぷら」、早川町に古くから伝わる食べ方や季節の味を、自慢の蕎麦と一緒に味わえる「はやかわ割子」、くるみの味が絶品の「くるみ味噌だれそば」、「アマゴの山椒煮」などなど。佳子さんの研究成果であるネパールやブータンの蕎麦料理も忘れてはいけない逸品。
ね?一度じゃ食べきれないでしょ?
「おすくに」さんの楽しみ方は3通り。
ランチを食べる。
予約して夕食を食べる。
併設の、大正時代に建てられた古民家を改装した一棟貸しの古民家宿「月夜見山荘」に泊まる。
そうなんです。「おすくに」さんは、秘境・早川町の山中のオーベルジュなのです!集落の高台にある山荘から眺める月と星空は絶品中の絶品です。静けさと、自然の美しさと、山の恵みと、鞍打夫妻との話…。
一度経験したら、二度と元には戻れない危険があります!
「おすくに」という名前と「月夜見」という名前でピンと来た方はいらっしゃいませんか?
二つの言葉の共通点は「古事記」!おすくに(夜之食国 )は、天照大神の弟である月夜見尊が治めていたとされる国…。詳しいお店の由来に関しては、直接ご夫妻に聞いてくださいね。
月夜見山荘(つくよみさんそう)
【チェックイン】16:00〜19:00
【チェックアウト】10:00
【定休日】不定休