日本古来の色で涼しく暮らす「クールジャパン」
地元民・リピーターによるおすすめポイント!!
子供の頃、一番最初に買ってもらった「色鉛筆」は何色入りでしたか?
私は12色。高学年になるにつれ、24色入りを買って欲しいと親にせがみ、36色入りを持っている友達を心底うらやみ…。はてさて、地球上にはいったい何色あるのだろうと思ったことはありませんか?アメリカの物理学者によれば、200万~1000万色が存在するとか。
「全ての色は青・赤・黄の三原色で成り立っている」とか、「太陽光線はプリズムで虹の七色に分けられる」とか習った記憶がありますが、まさかそんなに存在するとは!しかも、中国では紀元前3000年頃、ヨーロッパやインドでは紀元前2500年頃、日本では縄文時代(紀元前1400年頃)から植物などを使った染色が行われていたそうで、人間って昔からオシャレだったんですね。中でも、日本は世界の中でも色の名前が多く、しかもその名前は文学的。独特な色使いも、世界から注目されています。
富士川町の電信柱がない商店街に、コンクリート打ちっぱなしのひときわモダンな建物があります。
ここが杉山江見堂さん。お店の中に一歩入ると、コンクリート色とのギャップが激しい「粋」な色使いの「うちわ」や扇子の世界が。これらはご主人の杉山茂さんの手作業による作品たちです。
「杉山江見堂」さんは、江戸時代の終わり頃から続くうちわ・扇子専門店。昔は「うちわ」は七輪やかまどに火を起こす際に使う庶民の生活の必需品で、お店の名前を入れた「うちわ」は、広告宣伝に使われていたそうです。しかし、ガスができて火を起こす必要がなくなり、扇風機やエアコンができて「うちわ」であおぐ必要がなくなり…。
そんな中、杉山さんは日本の「うちわ」の文化を何とかして残したいと「うちわ」作りを極めるようになったとか。日本全国を行脚し理想の紙を探し求め、くるみ、栗のイガ、ざくろ、桜…などの天然の素材を使った「草木染め」により紙を染めて「うちわ」や扇子を作っています。
手作業にこだわるモノ作りをする人を「職人」と一括りにしていましたが、或る方に職人とアーティストの違いを聞いたことがあります。職人とは同じ物を作り続ける人。アーティストは自らのアイデアを物に注ぎ込む人。杉山さんは、アーティストの部類に入る方。
杉山江見堂さんは「注文の多いうちわ店」。杉山さんの理想の色を出すため、紙屋さんへの注文が多すぎて断られることもあったとか。美しく丈夫にするために敢えて冬の間雪にさらして作られた紙、その地域の風や太陽の光で乾燥させた紙を使う。それは同じように染めても紙によって出てくる色が違うからだそうです。
良い「うちわ」とは、見た目が綺麗で軽くて扇ぎやすいもの。
杉山江見堂さんの店頭で、こだわり抜かれた「うちわ」や扇子を手にし、あおいでみてください。頬に感じる柔らかな風は、貴方の心まで穏やかにしてくれるはずです。
日本の田舎に自然に生えている木や実などで作りだされる色は、まさに日本の原風景の色。夏をクールに涼しく過ごすための杉山さんの「うちわ」は、日本の伝統文化を継承すべく活躍している人々や、最先端のお店から「熱い 」視線を注がれています!
杉山江見堂
住所
山梨県南巨摩郡富士川町鰍沢1531-1
電話
0556-22-0169
営業時間
9:30〜17:30
定休日
日曜・祝日(1〜3月は不定休)
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