沙道プロジェクトのこと

南山梨には「ものづくり」の伝統が数多く残されています。

身延町の西嶋和紙、市川三郷町の市川手漉き和紙、早川町・富士川町の硯、 市川三郷町・身延町の手彫り印章、市川三郷町の花火…。古くから土地に伝わる文化はもちろん、 他の土地から南山梨に魅せられてやって来た芸術家も大勢いらっしゃいます。

アナログからデジタルへと時代が移り、利便性の追求が加速する現在、 自らの手で「もの」を作りだす「作り人」は、人知れず技を磨くべく努め励んでいます。

この「ものづくり」の精神を、「努め励む人」という意味も持つ古代インドの出家修行者「沙門」と重ねて名付けた「沙道プロジェクト」では、南山梨に住まう職人やアーティストが、職域、町域を超えて自由に活動し、オリジナルの製品を作り出します。

沙道プロジェクト初期メンバー

雨宮弥太郎(雨畑硯本舗) 富士川町 硯作家
一瀬浩基(金長特殊製紙) 市川三郷町 機械漉き和紙
上田彩(カウワーカー) 市川三郷町 革工芸
映水 早川町 絵師・アーティスト(山梨大使)
遠藤綾子(山叶製紙) 身延町 機械漉き和紙
笠井伸二(山十製紙) 身延町 手漉き和紙
二宮啓太(宏雅堂) 身延町 彫刻士(印章)
久村真代(陶房 煌知) 早川町 陶芸家
望月煌雅 市川三郷町 甲州手彫印章 伝統工芸士
依田修(工房淳司)早川町 木工職人
若林克友(スナンタ製作所) 富士川町 木工職人
渡辺千明 南部町 竹芸作家

作品紹介

写仏セット「なまよみの」

「沙道プロジェクト」の最初の作品は、南山梨の伝統工芸である「和紙」「硯」「印鑑」が、絵師である映水さんの「新しい形の写仏」により融合されました。

富士川町の雨宮邸に「沙道プロジェクト」のメンバーが集合すること足掛け2年。それぞれの立場から様々なアイデアを出し合い、完成に近づきました。

その名も「なまよみの」。

なまよみの 甲斐の国
うち寄する 駿河の国と
此方此方の 国のみ中ゆ
出いで立てる
富士の高嶺は
天雲も い行きはばかり
飛ぶ鳥も 飛びものぼらず
燃ゆる火を 雪もち消ち
降る雪を 火もち消ちつつ…

この高橋虫麻呂の作と言われている万葉集に収められている歌から取りました。「なまよみ」とは甲斐の枕詞で、『甲斐の国は現世と黄泉が交差している場所』と考えられていたという説もあり、いわば、現実世界と精神世界が交差する地。

硯で墨をすり、和紙に釈迦の言葉からインスパイアされた美しい絵を筆で写し、落款を押す。

南山梨の職人・アーティストがその手で作り出した極上の「現実世界」は、極上の「精神世界」へと導きます。

写仏セット「なまよみの」は、一つ一つ手作りであるため、製作に時間を要し、作れる数も限られているため、クラウドファンディングを通じて販売する予定です。クラウドファンディングの用意が整いましたら、お知らせさせて頂きますので、応援のほどよろしくお願いいたします。

沙道プロジェクトの活動や最新情報は、Facebookページで発信しています。
https://www.facebook.com/projectshadowszac

お問合せ